楽器を演奏してみたい、楽器を演奏できるのって格好いい!と思い始めた人も、
ずっとその気持ちを持ち続けられるかといえばそうではないことも。好きで始めた楽器が嫌になることもあります。
嫌になる原因はいくつかありますが、
市民楽団に所属してみた人が「もう嫌だ」となる原因について考えてみます。
そして嫌になったときどうすれば良いかを書きます。
嫌になる原因
楽器そのものというよりは、楽器にまつわる人間関係が原因で嫌になる人が多いように思います。
特に大人から楽器を始めた人は、どうしても学生時代から楽器をしている人に比べて演奏のレベルは低くなります。レベルが低いこと自体が本人にとってストレスにもなります。(「このメロディをこう演奏したいのに、なんでできないんだー!」等)
けれどどちらかというと、周りの人、特に昔から楽器をやっていて演奏ができる人からの言葉や態度にむしゃくしゃしていないでしょうか。
学生時代から楽器をしていた人は、大人になってから楽器を始めた人に対してマウントを取ることが可能になります。
教える–教わる の関係は、教える側の”スキル”が無いと、教わる側は楽器の上達どころか楽器から離れることにもなりかねません。この”スキル”は楽器のスキルのこともありますが、初心者に対して「どうしてできないの?」「もっと練習したらできるのに…(なぜ練習しない)」などとイライラしないスキルが必要です。直接こういうことを言わないにしても、言葉の端々や態度に出てしまうと、教わる側も分かってしまいます。
もちろん、経験者が初心者に対してアドバイスをすること自体は良いと思います。でもそれが、人格否定的なことにまでなっていたら問題です。
私の場合
学生から部活動でたっぷりと練習できた側なので恥ずかしながら、市民楽団にいた初心者の人には言葉にしないものの私のイライラ(なんでできないの?なんで練習しないの?)は伝わっていたと思います。
自分の立場(マウントとれる側)をはっきりと理解できたのは、大人になってから始めたバトミントンで社会人サークルに所属してからです。
運動音痴に加え、初心者なのでダメダメ。そしてバトミントンをずっとしている人からすれば常識であることが、私には分からず常識知らずな行動をしていました。学生時代からバトミントンをしている人からの、初心者である私に対する態度はあまり良い気分のものではなかったです。被害妄想もあったと思いますが、楽しくなくなってしまいそのサークルは辞めることとなりました。
バトミントンサークルでの一件から、自分の市民楽団での立ち位置を振り返りました。マウントを取ってしまっている…と。それがOKな楽団もあると思いますが、「初心者歓迎」の楽団だったのです。人数が欲しいから初心者でも入団可能だが実態は歓迎してないじゃないかと反省です。
対策
さて、私の話はともかく。せっかく始めた楽器を、楽団の人間関係のために楽器自体をやめるのは勿体ないと思います。具体的にどうするかは以下を提案します。
・退団する
・掛け持ちする(複数の楽団に所属する)
・市民楽団には所属せず、レッスン受講をメインにする
休団する
まず、もう嫌で嫌で仕方ないという状況ならその楽団から距離を置くことをお勧めします。
だいたいの楽団は休団制度を設けているので、まずは休団してみて気持ちを落ち着けてみるのが良いです。
落ち着いたところで、そのまま続けるか退団して他の楽団にいくかを考えるのはどうでしょうか。
退団する
気持ちが落ち着いても、やはりその楽団とは関わりたくないようであれば退団手続きになります。
「お世話になったのに」とか「仲の良い人もいるのに」という気持ちもあると思いますが、楽団を辞めて他の楽団に移ったり、仕事やプライベートの都合で退団というのはよくあることです。
そして本当に仲の良い人とは同じ楽団でなくなっても、交流は続きます。
掛け持ちする(複数の楽団に所属する)
今の楽団を休団したり、退団するほどではない。もしくは演奏会が近く、それまでは休めない場合。
練習日の重複がなくあなたの時間に余裕があれば、もう一つ楽団に所属するというのも手です。
楽団ごとに雰囲気は全然違います。コンクールに向けてがっつりと楽器演奏に取り組む楽団があれば、団員同士の交流がメインで練習後の食事会(飲み会)を重視している楽団など様々です。楽団の方向性に優劣はありません。いま所属している楽団とは違う楽団を体験することで、よりあなたに合った楽団を探せます。
まずは見学だけでも行ってみましょう。

杏主演の映画「オケ老人!」では2つの市民オーケストラが出てきますが、団体によって雰囲気は全然違うということが描かれています。
良ければ見てみて下さい。映画終盤は思わず「ブラボー!」と拍手したくなる映画でした。
市民楽団には所属せず、レッスン受講をメインにする
もう市民楽団には所属したくない、でも楽器は続けていきたい場合は、プロのレッスンを利用しましょう。複数の生徒さん向けで吹奏楽やアンサンブルのレッスンをしている音楽教室もあります。
大人数での演奏が疲れたなという方は1対1のレッスンで自分の演奏したい曲をするというのも良いです。
妙なマウンティングは受けずに、プロの適切な指導を受けて、気持ち良く演奏技術を向上できます。無料体験や見学をしていつもの楽団とは別の雰囲気を味わうのはすごくいい気分転換になります。
まとめ
楽器を趣味にすると、上達の楽しみや、他の人と上手く合わせることができたときの一体感、年をとっても楽しめる、楽団で仲間ができるなど良いこと沢山です。
けれど楽器が嫌になることも出てきます。その時は何が嫌なのか、楽器に飽きたのか、それとも楽器に関連する人間関係かなど考えてみましょう。
もし所属する楽団の人間関係が原因なら、休団・退団・掛け持ち・レッスンを検討してみて下さい。