コロナ禍を思う~社会人クラリネット吹きの場合~

baby_cry 市民楽団

新型コロナウィルスの流行で吹奏楽、オーケストラ等の活動は制限されています。

国内の吹奏楽界の大きなイベントでは、2020年(2019年度)冬のアンサンブルコンテストの全国大会の中止、そして夏のコンクールの中止となりました。2021年(2020年度)のアンサンブルコンテストでは、開催はされたものの無観客。各種演奏会の延期や中止、無観客による実施、観客の数を制限した演奏会など影響は続いています。

そんなコロナ禍(特に緊急事態宣言の時期)で感じたことや行ったことを社会人クラリネット吹き視点でつらつら書きます。

とにかく寂しい・とにかく合わせたい

多くの市民楽団やアンサンブル団体が活動を休止したように、私の所属している楽団も活動を休止しました。それまで定期演奏会に向けて練習していましたが演奏会は延期となりました。

「難しい曲だったし練習できる期間が長くなって却って良かった」と言い聞かせるも、「みんなと吹きたい」という思いが募り続けました。

趣味は楽器だけという私にとって、毎週末に皆と会って、合奏して、練習後に食事してという当たり前が、いかに心の拠り所になっていたのかと思い知りました。

家で小さな音量でクラリネットを吹いていましたが、余計に募る皆と一緒に吹きたいという気持ち。

リモートアンサンブルという形で個人個人でパート譜を吹き、それを同時再生させることで合奏にするというチャレンジもして、それはそれで楽しかったです。

多重録音については下記もご参考に。

スマホアプリだけで一人アンサンブルをする方法
YouTubeでアンサンブル動画を見ていると、多重録音の方法で、一人で全部のパートを吹いてアンサンブルをしているものがあります。 パソコンを使えばフリーソフトでも簡単にできるかもですが、もっと手軽にスマホでできないものか。 そん...

けれどリモートアンサンブルでも一緒に吹いていた感覚とは程遠いです。リモートアンサンブルは合奏の代替方法というよりも全く別の楽しみ方という感じです。

楽器の調整

寂しいという思いはありつつ、やって良かったのは楽器の調整に出したことです。

定期的に楽団の練習があると、「まぁまた今度」となりがちな楽器の調整。楽団の活動が休止になり、このタイミングで調整しておこうと思い腰が上がり調整に出しました。郵送での楽器預け(楽器店が送料負担)や受取時の完全予約制での来店などで人となるべく接触しない方法を採られていました。

配信の演奏会

アマチュアでは延期となる演奏会が多い印象ですが、プロの演奏会は配信で行われているものも増えています。

もちろんせっかく聞くのであれば生で聞きたい。配信で聞く音はどうやっても生で聞く体感とは違います。

しかし遠方だったりチケットが取れなかったりで今まで聞くことができなかった演奏会が配信になって良かったという人もいます。選択肢が増えたという意味で良い機会だったと思います。

感染防止策との相性の悪さ

感染防止対策として三密を避けるというのがあります。

  • 密閉空間(換気の悪い密閉空間)
  • 密集場所(多くの人が密集している)
  • 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発生が行われる)

この三密、特に密閉空間というのが吹奏楽、アンサンブル、オーケストラ等の合奏にとって相性が悪いです。基本的に合奏は、防音の効いた室内で行います。防音というのは壁の厚さがあっても窓やドアが開いているとそこから音漏れします。音が漏れても良いという環境であれば良いですが、音が漏れれば同じ建物内や近隣からの苦情になることも。練習途中の換気はしても多くの時間を密閉空間にするのが合奏練習であるため、密閉空間を避けるということに相性が悪いです。

そしてマスクの着用がこれまた管楽器の演奏との相性が悪いのです。
管楽器はマスクを着用しての演奏ができず、楽器用フェイスシールドや管楽器用マスクといった特別に開発されたマスクでしか演奏できません。

練習場所に使用する公民館によっては、「マスクを全員着用する」というルールが厳しく、演奏者同士の距離を大きく取るだけでは使用許可が出ない場所もあります。

私もそういったルールのある場所で練習する必要があり、管楽器用マスクを購入しました。マスクしながら吹けることは吹けるのですが、マッピを咥えるときや離すときにリードに当たりそうで怖い……。

どの趣味の人も工夫を凝らしていると思いますが、合奏、管楽器演奏というのは感染対策との相性が悪いと思いました。

まとめ

いつも通りの活動ができないというのは、今まで考えたことも、有難みも感じなかったことに意識を向ける機会になりました。

ホールで満員のお客様の前で演奏できるような状勢になりますように。