2021年5月現在、楽団の練習もできなかったり演奏会もなくなったりと家にいる時間も増えました。合奏したいなぁ。
そんな気持ちを鎮めようと、吹奏楽やオーケストラを題材にした作品を探しました。小説、漫画、アニメ、映画とたくさん。
その中でも印象に強烈に残った漫画「SOUL CATCHER(S)」をレビューします。
SOUL CATCHER(S)って?
作者:神海英雄
週刊少年ジャンプ(途中から他雑誌)で連載していた吹奏楽漫画です。謳い文句はこちら↓
心が“見える”能力を持つが故に、他人を遠ざけていた神峰翔太はある日、天才サックス奏者・刻阪響と出会い、彼の放つ圧倒的な音に心動かされ…!? 奇才が描く、超視覚型吹奏楽グラフィティ──ここに開演!!
どうですか、「超視覚型吹奏楽グラフィティ」ですよ。そそられます。
吹奏楽作品の王道から遠く離れてはいないのに異質
吹奏楽を題材にした作品の王道はというと。
・主人公は生徒で楽器を演奏する
・主人公の葛藤は自分の演奏技術、仲間との関係、指揮者との関係
・吹奏楽コンクールに向けて努力し、結果を出す
・主人公もしくは先輩が引退し終わる
かと思います。
「楽隊のうさぎ」「響け!ユーフォニアム」のような。
もしくは主人公が指揮者の場合もあります。
・生徒が反発
・ぶつかり合いながら互いに理解
・吹奏楽コンクールで結果を出す
SOUL CATCHER(S)は、主人公が音楽経験のない学生指揮者で「こんな指揮者の指示なんて……」と反発する吹奏楽部員と相互理解をしながらコンクールに挑みます。またダブル主人公ともいえるサックス奏者は指揮者を支えるために自分の演奏技術や精神を鍛えます。
こう聞くと王道だなと思うのですが、もう、全然、違う!漫画ならではの表現です。
にて各巻のサンプルが読めます。”超視覚型”を味わって下さい。
ここに惹かれた
吹奏楽を題材にした小説や漫画の場合、主人公の演奏する楽器がメインの話題になります。他のパートの楽器のことも描かれますが、量は少ないです。
しかしSOUL CATCHER(S)の場合、打楽器からスタートして各楽器の奏者が主役になる構成です。奏者が持つ精神的な未熟さ、過去の嫌な思い出、嫌な思いをもうしないためのネガティブな姿勢をクリアしていくのは自分の身に置き換えて考えさせられます。
まとめ
心をつかむ(物理)演奏がビジュアル化されたSOUL CATCHER(S)。
真面目な文章でレビュー書きましたが、ツッコミながらかなり笑える作品なのでまずは無料分だけでもぜひ読んで下さい。