社会人になると部室もなく、練習できる場所は限られてきます。カラオケやスタジオ。お金もかかるし、行く時間もかかる。行く準備も面倒。そしてどんどん練習をしなくなり……となる。
なので家で練習したいと、クラリネットのミュートの使用レビューも書きました。
とはいえ、家で音を出して練習できないからといって、全く何にもできないわけじゃない。
「あぁ家でどうせ吹けないし、練習何もできないや」と私は上達のためにできることから逃げてしまいがちですが、楽器を使わなくてもできる練習をまとめてみます。
楽器を使わない練習
楽譜読む
新しい楽譜の場合は特に楽器を使わなくてもやれること多い!家でまとまった時間を取れなくても、電車の中でも楽譜を取り出してできることたち。
・リズム:難しいリズムが取れるか
・音楽記号、用語:知らない音楽記号や音楽用語を調べる
・調号&臨時記号、運指:指をどうするか考える。速いパッセージは、どの運指にすれば楽か。替え指があるか。
替え指についてはこの本がオススメという記事も書いています。
・吹かないところ確認:特にオケ譜のsoloやa1、a2の確認
ストレッチ・呼吸
体が資本!ということで、楽器演奏を楽にするストレッチや練習を紹介する本が多くあります。
例えば
カラダを変えると演奏がかわる!
ストレッチをしっかりと行うことで、カラダがより思い通りに動くようになり、痛めにくくなります。
本書では、演奏者が知っておくと役立つストレッチ方法や呼吸法を、写真やイラストを交えて解説。
楽器ごとに負担のかかるカラダの箇所や、それに応じたストレッチ方法もフォローする、演奏者待望の一冊です!●楽器の構え方チェック
●短時間でできる11のストレッチ
●ウォーミングアップに役立つ全身ストレッチ
●緊急ストレッチ
■内容
Part1 ボディ・マッピングで音楽が変わる!
Part2 カラダの軸をみつけよう――背筋と6つのバランス・ポイント
Part3 よい姿勢は腕の脱力から――「チーム腕」
Part4 カラダ全体の土台をつくろう――「チーム腕」
Part5 カラダとココロのバランスを取り戻そう――「チーム呼吸」
Part6 コンディションを整えよう――カラダ+(プラス)
などなど。
私はアレクサンダー・テクニークのレッスンを何度か受けたことがありますが、その時に教わったものでお気に入りの運動(?)や呼吸の練習がいくつかあります。時間も楽器も必要ないものなので、家でも電車でもトイレでもできるものだけど、中々せずにいることも。
「楽器練習したいなぁ、けど時間がないor家で吹けない」と嘆く前に、やろうな、私!
イメトレ
曲の練習もある程度進み、曲の中で難しいところや、もっとこう吹きたい(色っぽく/滑稽に/堂々と/吹きたい等)ところが分かってきます。楽器を使って練習したいところですが、それが無理な場合。でもできることはあります。どんな練習をすれば難しいパッセージが吹けるかの作戦を立てたり、こう吹きたいというイメージを練り上げることは吹かなくてもできるし、むしろ楽器から離れてする方が良いことも。
ブレス記号書き込み
本番は基本的に緊張しますが、特に緊張するような場面(コンクール、アンサンブルコンテスト、目立つソロ、オーケストラでクラが目立つところ等)では、私は呼吸が浅くなりがち。ブレスをしっかりと取る方が演奏が楽なのに、緊張からブレスを取り忘れたり。
そこで、ブレスを取る予定の場所に全てブレスのマーク(V)を書いておく。カンニングブレスの場所だけでなく、全てのブレスの場所。これを楽器が吹けないときに、書いておく。楽器があるとフレーズの取り方よりも息がもつかを重視しちゃったり、逆に余裕で息がもつからとブレスマークを書かなかったりしてしまうので、楽器が吹けないときにしたい作業にしています。余裕で息がもつとしても、ブレスを取るべきところではしっかり取るべきと思うので、ブレス記号を書く作業が必要。書いていないとブレスを取ったり取らなかったりと日によって変わり、本番で息が浅くなる原因になったりしちゃう。
楽器を使う練習
音を出さない
楽器を組み立て、譜面台を立てて楽譜をセッティング。ここまでは通常の練習と一緒。でもリードは付けない。この状態で曲練をします。特に運指が難しいところや、慣れないところ。もちろん速いパッセージができないといっても指だけの問題だけでなく、音の出し方が関わってくることもある。でも、慣れの問題なら、リードを付けない練習でも効果あり!
音を少し出す
音も少しは出したい。だって音を出してこそ楽しい。ということでリードも付けて音量はあまり出さずに練習することもします。防音室のない家でなのでかなり控えめですが。知らない曲をもらってすぐの頃は音も出しながらしたいからね。近所迷惑にならないように。
まとめ
音を出せなくても上達のためにできることは多々あります。楽団の練習やスタジオレンタルなどの音を出せる環境にいるときに、初見であたふた運指はどうだリズムが取れないとか勿体ないことにならないよう、家でもできることやりましょう。私に言っています。
最後に、この記事でまとめた家でできる練習と、曲の習熟度(初見の頃の初期から、曲の難しいところをピンポイントで練習する中期、ほぼ本番前の後期)によって、いつ頃が何をするのが適しているのかを表にしました。ご参考に!
いつ頃 | ||
楽器を使わない | 楽譜を読む | 曲練初期 |
ストレッチ・呼吸 | 常時 | |
イメトレ | 曲練中期~後期 | |
ブレス記号書き込む | 曲練後期 | |
楽器を使う | 音を出さない(運指) | 曲練初期 |
音を少し出す(楽譜さらう) | 曲練初期 |