クラリネットを長時間吹いていると口がしんどくなってきて、アンブッシュアが保てなくなる
長時間じゃなくても1曲吹き切るのも辛いときがある。どうしたら楽に吹き続けることができるんだろう
アンブッシュアが保てなくなって、口の端からプシューーーーっ!と息が漏れることありませんか。口がだるくなって自分にとってのベストな口でマッピを咥えられなくなってしまうと、したい演奏ができない。つらいっ
この問題を解消するために試したことをご紹介します。効果のあったもの、そしてなかったものも含め私が行った試行錯誤をご紹介します。同じ悩みを持つ人の参考になれば!
私の場合
私の場合、学校の部活時代はどれだけ長時間吹いてもアンブッシュアが保てなくなるなんて滅多になかったです。しかし部活動を離れて市民楽団で土日にしかクラリネットを吹かなくなってからプシューーーーっと息もれすることが増え、アンブッシュアが保てなくなることが増えました。これが3~4時間吹いたらしんどくなるぐらいなら良いのですが、1時間ぐらいでそうなることもあり、曲練や合奏に支障が出ていました。
部活動を離れたらこんなものなのか……と諦めていましたが、これから書くことを試行錯誤して今現在はだいぶマシになってきました。
試したこと5つ+1つ
試したことは主に5つです。
①リードを柔らかめにする
②自作リップガード
③マッピをプロファイル88からトラディショナルに変更
④パッチを厚めにする
⑤ブレス管理
では一つ一つご紹介します。
リードを柔らかめにする(効果:中)
まず最初に取り組んだのはリードの番手を柔らかめに変更したことです。部活動でイケイケでドンドンに吹いていた時代は5RVライヤーのマッピにグラコン4番を使っていて硬めを好んで吹いていました。軽い音よりボアーーーと厚い感じが好み(というかそれが良い音だと思ってしまっていたから)だったから、とにかく硬め硬めを選んでいました。
口が疲れるのは必要以上に硬めを選んでいるせいだと考え、まずは番手を見直してみました。
すると効果ありました。疲れにくくなったのです。というか硬すぎたんです。
私は疲れにくくなったことに嬉しくなり、少しでも疲れて息が漏れると「まだリードが硬いんだ」と思ったのです。そしてまた番手を下げる、下げる、しかしそれでも難度の高い曲では1時間もすればアンブッシュアが保てない。
リードの硬さを見直すことができたので良かったですが、私の場合はリードだけでは解決しなかったです。そんなわけでリードの番手見直しの効果は中程度です。
自作リップガード(効果:無)
リードの番手見直しとほぼ同時期に行ったのが、下唇を守るリップガードを自作したことです。リップガードというのは市販品だと「リップロテクト」が有名でしょうか。歯が当たる下唇が痛くなりにくくするグッズです。
今考えれば私の場合、歯が当たっている下唇だけではなく、口が疲れてアンブッシュアが保てないことが課題だったのでリップガードは効果なかったです。もちろん歯の形や唇の厚さなどによって効果大の人もいると思います。
ちなみにリップガードとして、下の歯にクリーニングペーパーを巻いたり、脂取り紙を巻いたりする人も多いですよね。私は紙を口の中に入れると違和感が強く、リップガードを自作しました。先輩に教えてもらったおゆまるで作る方法です。
マッピをプロファイル88からトラディショナルに変更(効果:大)
マッピは5RVライヤーから始まりB45、B30にも手を出しつつなんだかんだB40で落ち着いています。そういう品番のほかに、バンドレンのマッピにはトラディショナルとプロファイル88が選べます。
B40のトラディショナルもありますし、B40のプロファイル88も選べます。
以前何かで、プロファイル88の方が口が疲れなくなる?と読んでプロファイル88の方ばかり購入していました。
し~か~し!
これが私の長年の間違いでした。私にはトラディショナルの方がしんどくならなかったのです。(人によります!)
プロファイル88の方が咥える部分の角度が、トラディショナルに比べて鋭角です。それが私には合っていなく、トラディショナルに変えると口がしんどくなるこがだいぶ減りました。変えて良かった~!
ただしあくまで私の場合です。トラディショナルよりプロファイル88の方が合っている人もいる人も多くいると思います。
パッチを厚めにする(効果:小~中)
パッチについては薄めより厚めの方が楽です。特にヤマハのソフトタイプが好きです。
厚さが0.3mmを使っている時期もありましたが、マッピの振動が自分自身にもよく伝わってきました。0.3mmよりヤマハソフトタイプの0.8mmを使っているときの方が振動の伝わりが小さい分、口が楽に感じます。
ブレス管理(効果:大大大)
最も効果があったのがブレス管理です!口が疲れてしまう原因は息が足りない状況になったときに、口を締め上げてなんとか音を出していたせいでした。
ちゃんとブレスを取るべき箇所でちゃんと取る。必要な量を取る。
当たり前のことですがそれができていなかったです。フレーズの流れからいってもブレスを取るべきところで「まだ息がもつから」と吸わないと、確かに音は鳴るかもしれませんが口を強く締めて無理くり音を出していることに気づいていなかったのです。
ブレスを取る箇所を決めずに吹く→取るべき場所でブレスを取らない→しんどくなるが音符は続くから口を締めることで音を出す→疲労がたまる→アンブッシュアが保てない
しかもアンブッシュアが保てないとそのことに意識がいってしまい、また息をしっかり吸えないから悪循環です。
アンブッシュアが保てないとついつい口の形にばかり意識がいきますが、息をたっぷり使える状態にすることが私にとって効果がとてもありました。
+1で行っていること
上記の5つにプラスして、「こまめに楽器を離す」を意識しています。特に個人練習の場面でです。1フレーズを練習するのに、一度吹く→楽器を口から離して自己フィードバック→また吹く→楽器を口から離してまた自己フィードバック→……というようにです。
学生の頃は「猿練(サルレン)」といってただひたすら回数をこなすという練習をしていました。猿練は中学か高校のときに部活内で使われていた言葉だったと思います。
社会人になってもできない箇所を猿練で突破するという癖が抜けていませんでした。猿練を行っている状況というのは思考停止状態なので(本当にお猿さんに失礼な言い方ですね)、息の使い方も悪かったのです。すると口が疲れる。
口がしんどくなるという問題に対してだけでなく、練習全体の効率を良くするために、こまめに楽器を離すことが必要です。こまめに離し、今自分が何のためにこの練習をしていて、何を試そうとしているのかを意識的に行うのです。
まとめ
特に社会人の場合、部活動をしていた頃より吹く時間が短くなったことが、口がしんどくなる原因だと考えてしまいがちです。しかしじゃあ吹く時間を長く取れば良いのかとなると、そもそも部活動ほど吹く時間が捻出できないのでその解決策は試せないです。
しかしご紹介した
①リードを柔らかめにする
②自作リップガード
③マッピをプロファイル88からトラディショナルに変更
④パッチを厚めにする
⑤ブレス管理
+1として「こまめに楽器を離す」
は練習時間捻出ができなくても簡単に試せることです。
効果も高くて費用もかからない⑤ブレス管理がまずオススメです。そして費用はかかりますが個人的に効果の高かったのは③マッピをプロファイル88からトラディショナルに変更です。
取り組みやすいことから試してみてください。